並行輸入車の特徴

最近、雑誌やインターネットなどで中古車情報を見ていると、並行輸入車という言葉をよく目にするようになってきました。昔よりもインターネットなどを活用した海外とのやり取りが簡単になっているため、海外の自動車メーカーと直接提携しているディーラーでなくても、海外で中古車となった自動車を輸入することができるようになったことが、その理由の一つなのかも知れません。並行輸入車とは、正規輸入車と比較される言葉です。
正規輸入車の場合、海外で生産された自動車が、その海外自動車メーカーから、契約を結んでいる日本のディーラーを通じて輸入、販売されます。この場合、海外メーカーの信用を落とすことはできませんので、国内で輸入中古車としてその自動車を販売するディーラーも、商品の品質には非常に気を使います。その分販売価格は高い傾向がありますが、輸入中古車でもできるだけ品質の高い商品を選びたいと思っている人にとっては、こちらの方が安心して購入できると言えるでしょう。
一方、並行輸入車とは外国でいったん新車として流通し、それが中古車となったものを日本に輸入した中古車を指します。こういった並行輸入車は正規輸入車と比較すると日本国内での中古車としての販売価格が安い傾向があるため、中古輸入車を安く買いたい人にとってはメリットも多いと言えるでしょう。しかし、中古車販売店の質に関係なく輸入できるため、並行輸入車の中にはあまり品質のよくない中古車があることも事実です。もしも中古車に関する知識を豊富に持っていて、自分自身の目で良い中古車を選ぶことができる自信があるのなら、並行輸入車を選択肢に含めてもよいかもしれません。しかし、初めて輸入中古車を購入するという人や、あまり自動車に関する知識に自信がないという人は、できることなら正規輸入車を選んだ方が安心です。
最近では、インターネットのオークションなどを通じて、通信販売のような感覚で中古車を購入する人も増えてきました。しかし、ネット販売されている中古車は実物をじっくり見る機会がありませんので、並行輸入車の購入を検討する場合には、十分な注意が必要です。ネット販売を行っている中古車販売業者では、サイト上に広告のために写真を掲載しています。しかし、自動車というものは写真で見ただけで良し悪しの判断ができるものではないことを、よく理解しておいた方がよいと思います。もしも並行輸入車の購入を考えるなら、必ず自分の目で中古車の状態を確かめることが、失敗しない輸入中古車選びのコツです。