状態を正確に見極める方法

新車の場合には、どこで誰から自動車を購入しても、同じ条件で整備された同じ商品が手に入るはずです。もしも新車なのに他社で買うのと違いがあるようなら、そのような新車は不良品です。交換や修理の相談をした方が良いでしょう。しかし、中古車の場合には事情が異なります。中古車には一台も同じ自動車がないといわれるように、中古車にはそれまで誰かが乗ってきた歴史があります。そのため、その歴史によって中古車は色々な部分に変化がつき、たとえ同じ車種の同じ年式、同じ色の自動車であっても、異なる自動車になっているのです。これは、中古車を購入することの大きな魅力でもあります。
新車の場合には車種や年式、さらに仕様を決めてしまえば、自動車選びは終了です。あとは購入のための手続きを行ってしまえば、自動車は自分のものになります。このスムーズさが新車購入のメリットでもありますが、「自分だけの自動車を見つけた」という感覚は得られないかもしれません。その点、中古車は「苦労して見つけ出した」という達成感も得られますし、既に作られていない幻の中古車などを見つける楽しみもあります。これは魅力的なことですが、一方で中古車購入の難しい部分でもあります。なぜなら、中古車の中には自動車へのダメージが大きく残っている商品もあるからです。そして、中古車をできるだけ高く、そしてたくさん売りたいのが中古車販売店の気持ちですから、こういった中古車の問題点に関しては、客に積極的に説明することはありません。
もちろん、法律では中古車を販売するときに表示しなくてはならない項目をある程度定めています。本来はその表示項目をみると中古車の状態がわかるのですが、あくどい業者なら表示を偽っている可能性もあるでしょう。そこで、やはり中古車を購入する場合には自分の目で中古車の状態を見極めなくてはならないのです。ここでは、そのための簡単な方法を紹介しておきましょう。まず、中古車販売店で気に入った自動車を見つけたら、ボンネットを開けてみましょう。そして、まずはきちんとエンジンルームのほこりなどが掃除されているかどうかをチェックします。ほこりなどがたまっていると、エンジンルームの様子がわかりにくく、もしかすると販売店が事故車であることを隠すべく、わざと掃除をしていない場合もあります。
また、注目して欲しい点は、ラジエーターグリルやヘッドライトといったフロントまわりのパーツなのですが、特に見ておきたいのはそういったパーツに取り付けられているねじです。周囲のパーツと比較してネジが際立って新しい場合や、ねじ山に傷がついているような場合には、そのパーツを交換している可能性が高く、事故車かもしれません。事故車であるかどうかは別としても、少なくとも事故によって修復を行った経験を持つ自動車であることはわかります。