走行距離の偽りについて

全ての中古車販売業者があくどい商売をしているとは言いません。実際に、非常に良心的な商売をしている中古車販売店はたくさんあります。親切で知識も豊富な店員さんがいる店舗も多く、そういった中古車販売店と巡り合うことができれば、安心して中古車選びに没頭できると言えるでしょう。しかし、残念なことに、世の中にはこういった良心的な商売をしている中古車販売店だけではないのです。良心的な商売を行っている店舗と比較すると、あくどい商売をしている販売店は長続きしません。
そのため、件数としては少ないかもしれませんが、特に初めて中古車を購入するといった、あまり慣れていない人は、もしかすると数少ない悪徳中古車販売店のカモになってしまうかもしれません。注意をして損をするということはありませんので、できるだけの注意を払うようにしてください。そして、中古車販売において、非常に多く見られる悪徳行為と言えば、メーターの巻き戻しです。自動車には、その自動車の走行距離を知ることができるメーターがついています。そのため、商品として店頭に並んでいる中古車に関しても、メーターの数値を確認することで、その中古車が既にどの程度走ってきたのかを知ることができます。
自動車は走行に大きなエネルギーを要する機械ですので、長く走れば走るほど、色々な部分に故障が出やすくなります。また、消耗して使えなくなる部品も出てくるでしょう。そのため、中古車試乗では走行距離の少ない中古車ほど人気が高く、売れやすいのです。そこで、良心的ではない中古車販売店では、メーターを巻き戻して走行距離を少なく偽って販売しているケースがあるのです。このメーターの巻き戻しは、自動車の専門家が見ると一目でわかると言われています。
しかし、それほど自動車に詳しくない人が見ても、まずわからないようです。ただし、走行距離がそれほど多くないにもかかわらず、不釣り合いにシートが劣化していたり、中古車のハンドルがすり減っている場合などは、メーターの巻き戻しを疑った方が良いかもしれません。また、中古車購入のノウハウ本などにこの見分け方が紹介されるようになってからは、シートやハンドルが古くなっている中古車に、メーターの巻き戻しをする販売店が減ってきました。その分見分けにくくなったわけですが、何となく違和感を感じたら、まずは走行距離は本当に正しいかどうか、さらりと質問してみるのも良いでしょう。そして、販売員の反応をチェックしてみましょう。